<ぎょろめで深呼吸>

半透明のこの世界にアーメン
魚が涙を流す音や
伝わらなかった言葉の浮かんでは消える音
しか
聞こえてこない
シャボン玉の中に入って
銀のスプーンで彗星をすくう
湯気の立つコーヒーの真っ暗闇で踊り狂って
さっさと倒れてしまえば
私も続くのに

 

<ゆびのさきにからまる>

白い毛糸を水色のマニキュアを塗った指先にまきつけよう
いちごのにおいもラメの空気もどこまでも恐ろしいと感じているだろう
けれど
穴に繋がる毛糸をたどれば
わたしはもぐらにかえってゆく
針も芝生も同じに見えて
ピンクの花束なげつけよう
とけていくのを色眼鏡をつけてみつめていてよ

 

<ロール>

点線をたどっていく
足元にはオーロラの川が流れている
渦を巻いて真珠色になっている目をめがけて
目を見開いたまま
ぐるぐるダイヴした
まくろい闇とオーロラの川が交互にうつってしまうまがみえた
世界は浅くて広い

 

<さみしい り>

ぽかんと浮かぶ、青白い月が、夜の穴に見えた。

 

<もう、泣かない>

ましろの画用紙に描かれた便箋が赤いポストにおさまっていた。
わたし宛の内容ではなかったけれど、慰められているようだった。
「よ」の文字と消しゴムで消して少し表面がはげているところを、土と同じ位の温度の右の人差し指でなぞった。
紫色の爪の上には、何かの水分が乗っかった。
空を見上げると、空色しか見えなくて悲しかったけれど、雨が降っていないとわかった。
その指で右のしたまぶたをなぞると、かすかにぬれていた。
爪の色が紫色からピンク色に変わったので、他の指もピンク色にさせた。
足元には、わかば色の新芽がちょぴりと顔を覗かせていた。

 

<あおぞらに溺れるたいようと、?>

やけどしそうな透明の液体の中で
鳥肌を立てて青ざめている
だれの優しさもうけとれずに
もがき苦しんでいるのに
ひとりの名前だけをよんでいる
こころの膿を液体に流すと
そこには一人で泣いているわたしがいた

 

<芯のない鉛筆でありの巣を覗く>

ようやく雨にびしょぬれにされたぼろ靴も乾いてきた
光線が反射して青に見える空が太陽の色だったら
わたしたちは太陽の存在を知らないままだったろうか
暖かく包まれる、その理由を知らないままだったろうか
だぼだぼのまっくろセーターから見える白い指先も
その先にある赤も
その指を通って全身へ放たれる全てにミルクをぶちまけたような音符も
水の色をした瞳に染みこませればよかったのかな

 

<タイプライターで手紙を綴る>

凍った頭を蝶の羽で覆った
羽は髪に溶けこんでゆくので
溶けこまない部分は歯軋りの音で切った
一本いっぽんが
ハートにおさまらなかった思い出の輪郭をなしていく
はさみでも切れないものが
あってよかった
と、心から思った

 

<びしょぬれのぬいぐるみを太陽にかざす>

壊れた彼をハートにうめこんだ
ブリキの夕焼けのねじをまきなおす
おんぼろ木製の船にのってオレンジ色の海にでた
海は
黄 ピンク 赤 紫 に 変わって 濃紺 まくろ に 変わった
星は
海水をすくうとひとつ、てのひらに残った
ぬいぐるみに、ましろのそれを食べさせた

 

<ミルク色の雲からのぞく境界のない虹>

だんだん地面に近付いていく体中を風がなめまわしてゆく
早起きをしなきゃいけない日の夜に限って夜更かししちゃうのは、わたしが欲張りだから
よおく わかっている はず の つもり
目をつむったらみえるものをほしがるのも ろうそくを消したらみえるものをほしがるのも
わたしが欲張りだから
わかっていたけれど、おちていく体だけは踏み外した足もとの意識なんかよりずっと重たくて
引力(重力?)に逆らえなかった
顔にばさりとかかった髪の毛の隙間からぼやけた虹が見えた

 

<パストハズゴナウェイ>

あまりにも簡単に刃物は動かされていた
後ろからクエスチョンを頭上にぽとりぽとりと落としながら
私の過去を(そういうことをしているということに関しては)無神経に切り刻む
その姿を見ることができずに下を向いていた
残骸はぽろぽろと私の視界にいやらしくおちてきて
哀れな過去もかき集められてどこかへ捨てられる
必要だった思い出は、どこへいったのか
教えてよ

 

<マーブル>

このさいだから、首をしめてしまっても構わない、と思う
あの、ミルクティ色の子犬はどこに隠れたのかな
最後に、さみしくなってもさがさないでね、と心の中でつぶやいた(つもりだったんだろうけど、きこえてたよ)
ストライプ模様を指でなぞって、夜におびえてるなら
わたしのところへ、帰ってきてもいいんだよ

 

<マーブル>

冷えたミルクに透明なシロップをかけた
桃は甘くてみずみずしくて少し熟れすぎていた
ミルクと桃はあわなかった
広い世界は私にはあわない

―――

突き放すのも上手いし、引き寄せるのも上手い
彼、歌うのと同じくらい私の扱いが上手い

 

<どう猛な夜の色>

きっと考えればすぐにわかるようなことだったと思う
理解したくなくて一つ一つの言葉を小さな玉にして大きな玉につめていった
ある夜、青白い炎を投げつけられて炎まみれになった茶色のテディベアの横にあった大きな玉が大爆発した
空にはイロトリドリの星が一瞬、たくさんばら撒かれた
日が昇っていた頃にはわかった空と海の境界線がまったくわからなかった

 

<おなかのなかの手紙>

空と陸の境界線がなくなって
視界が全部真っ青になった
そんなときに、ピンクの小鳥が足元から飛んできて
白い紙の絵が描かれた絵葉書が届いた
透明な涙はどこに落ちて行ったんだろう

 

<ひきかえになる>

夜にダイブするために駆けていく
ドレミファソラシ、と口ずさんで、最後に1オクターブ上の「ド」がこぼれていくよ
ポルカを踊って、踊ってくれたお礼に銀のフォークをプレゼントする
きみをみているようで、遠くを見ていて
きみとの違いをいつまでもみつけられない

 

<レーザー視線>

1.その人と目線を合わせてはならない
2.その人と同じものを見てはならない
3.その人の涙を瞳に入れるとその人と目線を合わせることも同じものをみることもできる
いいことが続いてるようにおもっていたけれど
つらいことがおこっていることに気付くのから逃げてただけ、みたい

 

<うるおい>

いま、周りがみずみずしく
あしたも、きっと深呼吸すると
涌き水をのんでいるような気持ちになれる
と、したら
それを一番に誰に伝えたい、と思った?
すぐにうかんだ顔は誰の顔だった?

 

<1113>

夏が来ると、11月を思い出せなくなる。
守るべきつながりと、ほしいつながりを両方引っ張れない。
青い色の野菜はないなあ、とおもった。
目の奥がとても熱い。
まぶたを閉じると涙と混じって熱さがまとわりつく。
これでも、毎日をゆったり、しゃきりと、のびのびと両手を広げて受けとめているつもり。
だけれど、夜に黒に近い紫色の虚しさが襲ってくるのは なんで?
私の虚しさは 真っ白のはずなのに。

 

<ホワイトエアー>

虹の色と空の境界の色は何色?
雲の上にのっかるとか
ちらちら光る星をとるとか
きっとそういうことは
泣きながらするものだ

おもう

 

<思い出の味>

自分の足につまづいた
つい、さっきまで足をつけていた部分に舌をつけた
あまかった
なめつづけた
深くなっていく穴に 自分が埋もれていくのに気付かなくて
いつまでもなめつづけた

 

めをつむって
みえるものがあるとしたら
なんだとおもう?
めをつむったら
どんなに小さな砂の粒でもガラスのかけらでも思い出のはしっこでも
みえる、気がするよ

 

青白い星は
高音で燃えている

 

ゆるせるものはふえても
うつわが大きくなったわけじゃない
変わらないものって とってもこわいね
けれど、変わるものにはついていけなくて
だから、同じ靴を履きつづけることしかできない

 

教わることの、こわさ
教わったことしかできない、と思いこんでしまうこと
自分の才能に気づかないこと
それを殺してしまうかもしれないこと

 

世界一恐ろしい真っ白に襲われた
(世界ってどこからどこまで?)

 

4/8 ラジオから流れるクラシック

暗いつぶつぶでうめつくされたページをめくると
まっ白のページがあらわれた
なやみごと、憎しみ、うらみ
一歩踏み出すと、開けたまっしろの世界が広がってるよ
何色で何を描いてもいいなんて
しあわせ シアワセ

 

4/6 あったかいうで

いつか、あのうでにだかれたい
その願いは、思いのほかすぐに叶った
願いにぬくもりが混ざって
ほどかれたうでの残像と重なって
わたしはそれを抱きしめるしかなかった

 

4/5 せっかち

涙をぽつぽつおとしながら
真ん中に引っ張られてる人間たちを照らす
あの光に包まれることを忘れるから
人間たちは細胞の色が染まるまで

感情をむきだしにする

 2.帰れる家

とくとく ゆってる
ここのハートの呼吸
どんなささやきも逃さない
息する音さえも抱きしめたい

 

4/4 あまおと

雨漏りするので
耳にカップのとっ手を引っ掛けて
手の届かない世界の空気を含んだ雨を
カップにためた
たまった雨から雨音があふれてた
あのことばはどこからきたの?

 

4/3 よかん

指の先で春の風を受けとめて
つかめないざわめきと胸騒ぎをまとった稲妻を
ぐらぐらした目でみてた
ふりをしてた
ほんとは
きみが羽織っている空気をみてた

 

3/30 慣れない街

桜の花びらと
雨粒の共演に
両手をすくう形に作ったら
花びらにのっかった雨粒が4つおちてきた
願い事はふたつにかけた
ほんとは、ひとつで足りたのに

 

3/27 まぶたのあがりかた

今なら
真っ黒のボーリングの玉みたいな鉄の塊を両足につないだまま
両手をいっぱい広げるよりも大きい翼を羽ばたかせることができる
羽ばたくたびに星をふりまく、うつくしい翼で
セイ、グッバイ?

 

3/25 のっぺらぼうのえこひいき

ずるがしこいエンディングに立腹するけど
それはそれでいいのよ
もうしょうがないことなのに、騒がしいったらありゃあしない

 

3/24 つながり

空も飛べるはず、をうたった
何かを失ったから何かを得られると思っていた
なにも得てない気がして仕方ない
なみだがでる予感は予感で終わった
瞳が潤っただけだった

 

3/22 スノーマンのゆううつ

いまが、augustだろうがmarchだろうが
関係ない
大事なのは雪が降ったってこと
つまらない
OKサイン
穴の向こう側が虚像の世界だとしたら
この穴がふさがる前にとびこまなきゃ!

 

3/21 マシマロ

あまい
ふかふか
あまい
ふわふわ
にがい
のこる

 

3/20 ハチミツ

テストの最後のページの真っ白のページに
スピッツのハチミツの歌詞をつづった
マサムネくんのこころが乗り移ったみたいに
全ての歌詞を勢いよく
もやもや、が、ビンに入ったものだって気付いた
わたしは、それをみていただけなのにもやもやしてたんだ
短いため息は、すとん、と、胸の穴をぬけていった

 

3/19 不器用

ぼくの両手は第二関節で全てきれているし
ぼくの両目はまぶたが半分とじてるし
ぼくの両耳はピアスだらけ
どこも欠けていない、と、おもう
だから、どうして僕に哀れみの視線をさすのか
と、問いたくてしかたない

 

3/16 したとくち

傷口から毒を吸い出すように
みたくなかった できごとも
ききたくなかった ことばも
のみこんでくれる
残ったものが
どんな高価な宝石よりも、美しいとは約束できないけれどね

 

3/15 やみのむこう

きまって、目の前が明るくなってくるわけじゃない
風化していくのを、楽しんじゃいけない
わかってるのに、向こうの私がけらけら笑ってる

 

3/13 おてんきあめ

毎日笑ってる必要なんてないよ
ほんとは、ほっぺの筋肉使いたくないこともしってるよ
手の話をするときはてをつなぎたくて
片方のうでと肩があったかかったら
それはもう、ぎゅってしていい合図なんだよね

 

3/12 もしもし

その次にくちにする言葉は、元気?で
その数秒後には、話すことがなくなる
結果は見えているし
理由もわかっているけれど
確かめたくていられない

 

3/11 転地の逆転について

雨が地面からふってきたら
傘は必要なくなるし
レインコートも脱ぎ捨てられる
ああ、いつになったらそういう世界になるかな

 

3/10 やまいのもとのねっこのおくそこ

こう、手を突っ込んでいくのは
情からじゃないし
コートでぬれないようにするのは
びしょぬれになりたいから
ただそれだけ
(ちょっと早めのエイプリルフールだよ、べー)

 

3/9 この線の向こうがわ

一歩踏みこめば
別世界が待っている
虚像の世界かもしれないけれど
呼ばれている
虹色は空色から始まって空色で終わる
くしゃくしゃのチケットを渡して
幻想のあの世界へ
いつまでも目覚めたくない

 

3/8 草原

転がって、ごろろん
それだけで笑えるのにね

*

水滴

きみの半開きのくちにみえちゃうよ
うそついたあとの、あのくちだよ
キスする途中の、あのくちだよ

 

3/7 声の追憶

悲劇のヒロインになるのは簡単だ
どうして喜劇のヒロインになろうとしないんだか
わたしにはユーの気が知れないよ

 

3/6 うつろな心

前に進めない、クレイジーな両足
瞬きのできない、クレイジーなまぶた
伸び縮みしない、クレイジーな横隔膜
そもそも、ユーがクレイジーで、ミートゥーだから
そんなに嘆かないでいいよ

 

3/5 おひなさまケーキ

食べそびれたから、明日買いに行こう、とお母さん。
謝々!が、とたんに流れ出した。
(MOREとABOUTを更新しました。Yapeus!復活してくれてよかった。)

 

3/2 マシュマロ依存症

今日も、切らせないように、いちごジャム入りのマシュマロを買った。
ストーブでキツネ色になるまで温めて、ほおばるときの、あの感覚。
とろお、しゅわわ、ささー、ひゅう、ぽつ。
何もしないで口に入れると、周りの粉の苦味がまずはじめにくる。
それから、そんな苦味なんて知らなかった(知らないふりをしている・忘れていた)かのように
ただ甘いだけの、わたあめとは違う甘味がくる。
そのあとの苦味といったら、次のマシュマロを口に入れないと
口の中で涙を流しそうになる。
わたしの恋愛に似てる、似すぎてる。

 

3/1 今日の夢

赤い宝石が、わたしの形見になるそうです。
夢の中で、友達の将来死ぬことを思い、号泣しました。

 

2/29 やだよう、やだよう

まぶたの上で、黄色とか黄緑とか、パステルカラーの色したとんがり帽子をかぶる小人が
よいしょ、よいしょ
て、扉を閉めようとしてるんだ
一緒に手伝ってくれない?

 

2/28 今日のゆめ

わたしは、お母さんの運転している車の後部座席の左側に乗っていた。
道路にはコーンがおいてあって、車はそれをよけながらzigzagに走らなければならなかった。
お母さんはハンドルの操作を誤って、車はスリップした。
対向車線を走っていた同じ中学の人が運転する車に助けを求めて、助手席に乗っていた元彼に私は、赤いチョークを渡した。
そこで、目が覚めた。
怖くも何ともなかった。
懐かしさだけが込み上げた、なんて月並みな表現をしてみます。

 

2/27 いいなあ、この、脱 力 感

起きた後の、30分くらい続く、深い呼吸がすごく好きです
夕方から、私を不快にする種だった低音の耳鳴りは、PM8:50に突然消えました
天気予報のお兄さんだかお姉さんだかの「あたたかくなるでしょう」だけが、たよりです

 

2/26 桜桃、応答

会おうと思えば会えるし、
押そうと思えば押せるし、
言おうと思えば言える。
複雑な感情が絡まってくるから、面倒になる。
利益とか、嬉しさとか、そう言う類の。
次にためいきついたら、いっしょにことばがついてきそうで、吸うことばかり考える。